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活動の証を!~さつき沼ビオトーププロジェクト~

六戸町中心部にある地域住民憩いの場、舘野公園。
 特に春は桜の名所として賑わいを見せ、昔、農業用水のため池として使われ、5月だけ水を張ることから名づけられたさつき沼と里山が広がる自然豊かな公園だ。

 この公園に隣接する六戸高校は2019年度から総合的な探求の時間で『さつき沼ビオトーププロジェクト』をスタート。町と設立した「さつき沼ビオトーププロジェクト連絡協議会」が主催し、初年度は生態系調査から始め、2年目の今年は動植物がすみやすい環境整備や訪れた人々に園内の自然に触れてもらえるよう看板や散策路などの設置を行う。

曇り空が広がり、時折遠くから雷鳴が聞こえる蒸暑かった9月4日、今年度3回目となる同校の活動を取材。雨が降っても大丈夫なようにカッパを急遽購入。長靴をはいて出発!!

11:00スタート!!
出発式を行い、生徒たちは班ごとに分かれて徒歩で公園へ移動。

このプロジェクトは大きく6つの班で構成されている。ビオトープを作るだけでなく、メイプルシロップや昆虫の樹脂標本などの商品開発、ビオトープや活動の様子をホームページで情報発信も行っている。

≪水鳥ゾーン:人工浮島の設置≫
 水鳥が安心して住み繁殖できるプライベート空間となる浮島。事前に作っておいた人工浮島(木の枠に布団をかぶせロープで縛りつけたもの)にペットボトルを詰めた袋を浮材として浮島の四隅に取付け、沼の中心まで運ぶ。岸辺は湿地で足がぬかるみ、ボートを運ぶのも一苦労。さらに漕ぎ慣れていないボートで浮島を引っ張りながら、あっちへ行ったりこっちへ行ったり。やっとのこと目的場所に到着し、おもりとなる石を沼の底に投げ入れ作業終了。「無事に終わって良かった!」と生徒たちは一安心。

≪水鳥ゾーン:バードハイドの製作≫
 年間を通して様々な水鳥が飛来するさつき沼。人間が近づくと逃げてしまうので水鳥をこっそり観察するためのシェルター「バードハイド」。汗だくになりながら、寸法をはかりのこぎりで壁になる木材を切っていく。最後に防腐剤を塗って完成!

≪水鳥ゾーン:外来種アメリカザリガニの駆除≫
 前日に魚肉ソーセージを餌に捕獲用の籠をしかけておいていた。沼に落ちないよう水面スレスレになりながら(すごい体幹です!!)ロープを手繰り寄せる生徒。たくさんのアメリカザリガニを捕獲。生徒たちの中から「おいしそう!」という声も聞こえた(笑)

≪里山ゾーン:オオハンゴンソウの駆除≫
 「黄色い花がたくさん咲いていて綺麗だなー」なんて思っていたら、実は外来種であるオオハンゴンソウ。園内いたる所に生息しており、背丈が1メートル以上もある。スコップを使って根こそぎ駆除する。なかなかの重労働だ。

≪里山ゾーン:インセクトホテル≫
 様々な昆虫が越冬するための木の家。中には笹の葉を束にしたもの(生徒たちは「納豆」と呼んでいた)や拾い集めた松ぼっくり、たくさん小さな穴をあけた丸太を敷き詰めていった。ハチやダンゴムシ、テントウムシなどが訪れるという。

≪里山ゾーン:カブトムシベット≫
 生徒たちが捕獲したカブトムシが腐葉土(ウッドチップ)の中で産卵。自然に飛んできて産卵するパターンもあるという。幼虫はこのベットで脱皮を繰り返し大きくなる。来年の7月には成虫になるのだ。生徒たちは幼虫の成長を確かめ、物差しで大きさを確認していた。

≪ホタルゾーン:散策路の整備≫
 ホタルが生息する綺麗な沢が流れる池まで雑草が生い茂り、生徒たちが草踏みをして道を作っていった。そこに地元の農家の方がチェンソーで倒木切り、生徒たちがさらに斧で細分化した木を敷き詰め散策路を作っていく。ゆくゆくは池にメダカの放流も行われる。

≪ホタルゾーン:昆虫採取≫
 ホタルが生息する地にはたくさんの昆虫もおり、トンボやバッタ、チョウなどを採取した。ギンヤンマやハグロトンボが多く、中にはギンヤンマの動きを観察して一度に2匹も捕獲するツワモノも!散策路脇にはワナを仕掛けて、クワガタなども捕獲していた。取った昆虫は標本にする。

≪宣伝:写真撮影、看板の製作≫
 カメラ片手に広い園内を歩き回るグループ。ホームページに掲載するため全班を回り、活動の様子を写真に収めていた。各ゾーンには看板を設置。簡単な説明と六戸高校ホームページにつながるQRコードも付いている。また、公園の広い駐車場には「さつき沼ビオトープ」と書かれた大きな看板も設置。できあがった生徒たちの顔は満足げだった。

 2022年度末で閉校する同校。だがこのプロジェクトはさつき沼ビオトーププロジェクト連絡協議会で小・中学校やNPO法人等と継続していくという。六戸高生たちが基盤となり作り上げたビオトープがある舘野公園。ぜひ遊びに行ってみてはいかがでしょうか。この看板が目印です!

舘野公園
 〒039-2371
  青森県上北郡六戸町犬落瀬字柴山3-1