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教えて!我らの如来堂川 ~水プロで新発見~

 南部町は、東北部を一級河川の馬淵川(まべちがわ)が東西に流れ、その支流である如来堂川(にょらいどうがわ)が南北に貫流している、水環境に恵まれた町だ。

 名久井小学校は、如来堂川がすぐ近くを流れており、かねてよりこの川でのフィールドワークを行ってきたという。平成17年度には、総合的な学習の一環として、県内で初めて「水に賢い子どもを育む年間型活動プログラム(通称:水プロ)」を授業に導入した。

 このプログラムは、「B&G(ブルーシー・アンド・グリーンランド)財団」が、環境保全や安全対策の大切さを学んでもらおうと、全国の小学校を対象に様々な「水に関わる活動」を展開しているものだ。

 名久井小学校は、このプログラムに参加して17年目。鮭の放流やカヌー・サップ体験、水辺の安全教室等を通し、子どもたちの水への親しみと理解を深めている。また、水プロは、子どもたちの「疑問や探求心をもち取り組む態度」「友達と意見交流をして考えを深める態度」「学んだことをまとめ表現する力」の育成に生かされているという。

 この日、水プロの一環として如来堂川にすむ生物の採取・観察を4年生が行うということで、取材に伺った。

 出発の時間までの間、廊下を見てみると、地域の特色を生かした同校での活動を取り上げた新聞や広報記事が掲載されていた。

 南部町の花「ボタン」の植え付け体験や、同町にある「聖寿寺館跡(じょうじゅじたてあと)」での発掘体験について掲載されている中に、今回取材させていただく水生生物採取体験の記事を発見!様々な独自の活動を知り、児童になった気分でわくわくした。

 長靴を履いて待っていると、子どもたちがそろい、校長先生に挨拶をして、出発!

 梅雨中の曇り空の下、列になり歩くこと5分程、体験場所に到着!

 一緒に参加する名川南小学校3・4年生の8名と、講師の大島亨さん(町役場職員)と合流した。名川南小学校は、2年後に統合を予定しており、交流を兼ねての活動となった。

 子どもたちは、「川に入るのは2回目。1回目は、6月に鮭の稚魚を流した。川がどうなっているか楽しみ」という。

 はじめに、大島さんからお話があった。

 大島さんから川の名前を聞かれると、子どもたちは「如来堂川です!」と声を合わせて答えた。みんな、よく知っているようだ。

 続いて、生物の採取方法について、網を川の上流に向けて動かし水をすくうこと、バケツに半分ほど水を溜めておき、採れた生物を入れることと説明を受けた。

 また、環境についても学ぶ水プロということで、「みんなの川を綺麗にしましょう」と、ゴミ袋も配られた。

 そして班毎に分かれ、川へ入水!

 いざ、川を目の前にすると、ある子が「6月よりも流れが速い」と気付いた。

 梅雨の時期だ。連日の雨で増水していた。そんな川に挑む子どもたちの予想は、

 「想像もつかない」

 「メダカとか虫がいるんじゃないかな・・・」とのこと。

 さあ、一体どんな生物が見つかるのだろう。

 川に入ってすぐは「冷た~い!」「動けない」となかなか足が進まない様子。

 それでも、大島さんの説明どおり水をすくうと、早速網に生物がかかり、びっくりしたり喜んだりする子どもたち。

 水をすくっては、何がかかったか網をじっと見て、生物がいないか確認。

 生物かと思ったら、紙ゴミだったり、葉っぱや枝だったり・・・

 そんなことを繰り返しながら、川の上流へ向かって歩いていく。

 だんだん、「端の草の方にいるんじゃないかな?」と網を遠くにのばすと魚が採れたり、「石の下はどうだろう」と大きな石を持ち上げて網を当てると、何かの取っ手のようなゴミが出てきたりと、夢中になり、友達同士で考えを話し合い、協力して進んでいた。

 30分程で川から上がると、各々で見つけた生物を話してくれた。

 「魚を3匹捕まえたけど、逃げちゃった・・・」

 「脱皮したカニの爪があったよ!ひげみたいなのが生えてる」

 「初めて見る虫がたくさんいた。ちょっと気持ち悪い・・・なんの虫だろう」

 そして、水辺に集まり、見つけた生物の正体を調べた。

 大島さんから、馬淵川にすむ生物が載った図鑑が配られ、子どもたちはバケツの中の生物と同じものを図鑑から探した。

 色や大きさをよく見ながら、サクラマス、ウキゴリ、ヤマメ等の魚、貝、ヒゲナガカワトビケラ、カゲロウトンボの幼虫等、様々な生物の名前や姿を知り、子どもたちは嬉しそうに分かったことを教えてくれた。捕まえにくいというアメンボも採取できていた。

 途中、小魚が跳ねてバケツから飛び出すハプニングが。「先生!ジャンプしました!」と急に元気に動いた小魚に驚きながらも、タオルで包んでバケツに戻すことができた。

 観察を終えたら、生物を全て川に戻した。

 「持って帰りたいけど、さようなら」

 中には、古くて大きなゴミがあることを知り、綺麗にしていきたいと話す子もいた。

 担当していただいた長谷川先生によると「この活動を通じ、子どもたちの如来堂川に対するイメージは確実に変わっている。ゴミが多いことに気付き環境問題について考える子、進んでゴミ拾いをする子、川のきれいさに驚く子、橋の上からずっと川を見つめる子等が毎年いて印象に残っている。」という。

 最後に、全員で記念撮影をし、大島さんに「初めて見る魚や虫がいて嬉しかったです。ありがとうございました。」と挨拶。

 大島さんからは「また川で活動したいですか?」と聞かれ、子どもたちが「はい!」と返事をすると「では、川をきれいに大切にしてきましょうね」と伝えられた。

 はじめは、川自体や生物をこわがっていた子も、気付けば夢中で活動に取り組み、自然に触れる姿を見て、自然の面白さや不思議さを感じた。私自身、川の流れを両脚に感じ、様々な生物を間近に見る体験は初めてで、楽しむことができた。また、他の時季や川ではどうなのだろうと関心をもった。

 自然や生物に親しみ、環境を大切にする心を育む水プロを経験した子どもたちが、今後も健やかに育ち、次世代で活躍することを願っている。

 名久井小学校をはじめ、取材にご協力いただいた皆様、ありがとうございました。